電車に乗っていると若い人のほとんどがスマートフォンを見ています。私はいまだにガラケー派で、乗車中は新聞か小説を読んでいるのですが、若者の様子を見ていてふと思い出したことがあります。私は大学1年生の時に先輩から20万円で譲ってもらった国産中古車に生活必需品を載せて、どこへ行くにも、この車を利用していました。

 車は初めて自分のお金で買った自分だけの部屋であり、交通手段であり、デートにも使用しました。車には、遊び道具やオーディオ機器をはじめ、あらゆる生活用品を詰め込み、レジャーでも、学校でも、友人宅にでも、どこにでも出掛けました。車がないと何も始まりませんし、あることで世界が広がった気がしました。

 今時の若い人にとってスマホは、通信手段であり、テレビであり、お財布であり、定期券であり、必要なものがその機器に収まっているわけです。若者にとっては、私の車に匹敵するのがスマホなのかもしれませんね。【し】