仕事の用事があって、金沢に出かけた。毎日新聞社も主催する将棋の王将戦の準備である。雪の金沢は風情があって、国内外の観光客も大勢いた。が、折しも「10年に1度」の猛烈な寒波に見舞われ、大雪を心配。万が一、対局者である藤井聡太王将と羽生善治九段が到着できない事態になったら大変だ。祈る気持ちで準備に追われ、雪は降ったが、なんとか開催することができた。
藤井さんも、羽生さんも間近で接すると、やはり独特のオーラが感じられた。うれしい瞬間であった。
年を重ねるごとに「将棋を習っておけば良かった」と後悔しきりである。王将戦のようなビッグタイトル戦で、藤井さん、羽生さんの指した手がどのように素晴らしいのか理解できたら、さぞかし楽しい時間を過ごせたであろう。と、知人に話したら「今からでも遅くない。学んでみたら」とアドバイスをもらった。確かにその通り。
知り合いには将棋に詳しい人が大勢いる。ゆっくりと教えてもらいながら、タイトル戦の状況を見聞きするのも良い時間の過ごし方である。【さ】