脳梗塞(のうこうそく)などの病気の早期発見に役立つ脳ドックが身近な場所で受診できる日が来るかもしれない。出光興産(本社・東京都千代田区)と医療現場でのIT化を進めるスマートスキャン社(同中央区)は8日、静岡県島田市中河町の給油サービスステーション(SS)でMRI(磁気共鳴画像化装置)を搭載したトレーラーによる「移動式脳ドック検診サービス」の実証実験を始めた。SSでの検診サービスは全国で初めてという。

 検診サービスは出光興産がデジタル技術を用いて地域にサービスを提供する「スマートよろずや」構想の一環で、全国のSSの有効活用を図る取り組み。実証実験は11月30日まで行われ、地域のニーズなどを検証する。

 トレーラーは約25トンで内部に医療機関と同様のMRIを完備。予約はウェブサイトなどから行い、撮影した画像は医師が遠隔で診断する。受診者は検査結果を1週間以内に専用ウェブサイトで確認することができ、異常があった際は地域の医療機関を紹介されるという。

 新聞の折り込みチラシを見て受診した同県焼津市の女性(47)は「脳外科医院などでは受診に半日かかるが30分ほどで終えるのでありがたい。最初は緊張したが明るくて圧迫感もなくよかった」と話していた。【関根浩一】

トレーラーの内部
MRIを搭載したトレーラー