生涯独居 頼れるのはおいだけ
生涯ひとりで暮らしてきました。両親を亡くして親族ともあまり連絡を取っていません。生活のための蓄えは十分ですが、いざという時に頼れる身寄り はおいだけです。どうすればいいですか。(60代、女性)
死後事務以外は事業者の利用も
おひとり様の今後の暮らしのサポートには、入院や入所に際して身元保証や死後事務を引き受ける人と、認知症になった時の財産管理をあなたに代わって行う人が必要です。おいとの関係にもよりますが、いろいろと親身になって相談できる間柄であれば全てをお願いできるかどうか聞いてみるのもいいかもしれません。しかし、何かあるたびに連絡がくる身元保証や財産管理をいきなりお願いするのはちょっとためらうのが普通です。
そのような時に、葬儀や納骨などの死後事務だけお願いして、ほかの二つは事業者のサービスを受けるというのも検討に値します。遺言者で一定の追産を相続させる代わりに死後事務をお願いするとスムーズです。遺言執行者を指定し、おいに着実に遺産がわたるようにしておきますできれば、その旨をおいに伝えるとともに、定期的に自身の健康状態や住所、連絡方法などを伝えておくといいでしょう。もう少し協力的であれば、あなたの財産管理もお願いします。法定相続人がおい1人であれば、財産の承継も順調に進みます。
財産管理をお願いする場合、任意後見人になってもらう方法と家族官託の受託者になってもらう方法があります。任意後見人だと家庭裁判所への申し立てや後見監人とのやり取り、報酬の支払いが発生しますが、家族託の場合はこれらの負担がかかりません。ただし、信託契約書の作成などで初期費用がかかります。
家族信託という名称が一般化したため、なんとなく子がいないと利用できないというイメージがありますが、おいやめいに受託者になってもらうことは可能です。
<たのシニア生活彩り俱楽部マネジャー山本建>
