土地を息子の自宅用に 税金は?

 息子がマイホームを建てるにあたり、私が父から相続した土地を息子に譲りたい。いずれは息子に相続させるつもりの土地ですが、今というタイミング で譲渡すると贈与になり税金がかかりますか。 (70代、男性)

「相続時精算課税」の制度を活用

 相続で継承する予定の財産でも、生前に渡すと贈与に該当し、贈与税の課税対象となります。贈与税の節税対策と言えば、年間110万円の基礎控除額がある暦年課税が一般的ですが、不動産などまとまった金額となるとあまり節税にはなりません。

 一方、相続時精算課税制度を活用すれば、原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫に節税しながら財産を贈与できます。この場合、110万円の基礎控除額に加え、通算2500万円の特別控除額まで贈与税がかかりません。

 なお、特別控除の部分の贈与額は、相続発生時に相続財産に加算され相続税として清算されます。それでも贈与税より税率が低いので節税になります。あなたのように、相続させる予定の財産を生前に継承したいというケースでは、検討に値するのではないかと思います。

 受贈者は制度利用開始の翌年と基礎控除を越える額の贈与を受けた翌年に税務申告を要しますが、基礎控除額以下の贈与では申告の必要はなく、将来、相続税もかかりません。

 相続時精算課税制度は昨年、年110万円の基礎控除が組み込まれて使い勝手がよくなりました。まとまった贈与に加えて、都度の贈与を一つの制度の中で組み合わせることができます。

 30〜40代はマイホームや教育などお金がかかる時期です。贈与というかたちで親から子へ資金援助ができれば、お互いにとってこの上なく嬉しいことですね。

 たのシニア生活彩り倶楽部では、相続対策のご相談も承っています。
<たのシニア生活彩り俱楽部アドバイザー(ファイナンシャルプランナー)平田純子>