代々の墓じまい 改葬先が決まらず

 先祖代々お世話になっていた菩提ぼだい寺のお墓について、兄弟で話し合って墓じまいすることにしました。ご住職にもお伝えし、了承していただきましたが、改葬先をどこにするかが決まっていません。(70代、男性)

納骨堂など 費用や利便性考えて

 兄弟や家族で合意ができていて菩提寺の了承も得られているということで大きな障害はないように思います。あとはご遺骨をどこに改葬するかの墓選びだけが残されています。

 自治体が運営する霊園は管理料が安めですが、郊外にあるので足腰が弱ってくるとお参りが負担になってくることが多いようです。その点、駅近で交通の便がいいからと納骨堂を選ぶ方が増えています。屋内なので天候に左右されずに快適にお参りできますが、初期費用や管理料が高めです。

 これに対し、永代供養墓は遺骨をコンパクトに納めて一定期間供養した後、合祀ごうしする仕組みで一般墓に比べて安めであり、将来の供養の心配が不要です。さらに墓石不要の樹木葬や海洋散骨は永代供養墓より安価ですが、どこに埋葬されているか分からずお参りできないという課題があります。

 次に改葬作業の流れを説明します。改葬には、現在の墓地のある市町村から改葬許可書を取得する必要がありますが、申請に際し、新たな遺骨受け入れ先から「受け入れ証明書」、現在の墓地管理者から「埋葬証明書」を発行してもらう必要があります。

 次に現在のお墓を閉眼供養して遺骨を取り出し、新しい墓地に納骨します。その際、改葬許可書を提出します。最後に、現在の墓地を更地にして菩提寺にお返しします。

 最近では、改葬にかかる費用の見積もりをはじめ、墓じまいから改葬を終えるまでご遺族をサポートする事業者が増えています。<たのシニア生活彩り俱楽部マネジャー山本建>