手術を控え、身元保証を事業者に

 ひとり息子と疎遠なまま、心臓の手術を控えて心細いです。身元保証や死後事務を事業者に頼ろうと考えることは、親として間違っているのでしょうか。事業者の選定も不安です。(80代、女性)

預託金の口座などで信頼性判断

 身元保証や死後事務を事業者に依頼するという選択は、冷たさや諦めから生まれるものではありません。「人生の終盤を、自分の意思で整えておきたい」という、切実で現実的な思いの延長線上にある判断です。

 特に手術を控えた時期には、寂しさや不安、後悔といった感情が一気に押し寄せるものです。そうした中、医療機関などから身元保証を求められたとき、事業者を探すという行為は、ご自身の尊厳と安心を守るために選び取る行動だと言えるでしょう。

 近年では、業界の健全化を目的として「全国高齢者等終身サポート事業者協会」が設立され、官公庁や関係団体との連携が進められています。国のガイドラインに対応しようとする業界側の取り組みとして評価できますが、国の認証制度ではないため、所属しているだけで法的な保証が得られるわけではありません。とはいえ、事業者選定においての一つの参考基準にはなります。最終的には、目の前の事業者がどれだけ丁寧に説明し、不安や疑問に真脾腵摯脾に向き合ってくれるかが、信頼を判断する重要な指標です。

 確認ポイントとしては、預託金が事業者の口座ではなく、信託会社の信託口座で管理されているかが挙げられます。これは「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」でも推奨されています。契約者からの寄付を受け付けているか、サービス内容と費用が分かりやすいか、解約条件や返金ポリシーが明示されているかも大事です。身元保証や死後事務を事業者に託すことは、人生を最後まで主体的に生きる責任でしょう。
<たのシニア生活彩り俱楽部アドバイザー(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>