がん経て生前整理娘とこじれ悩む
がんの手術を経験し、予断を許さない経過観察中です。娘とは関係がこじれ、会いたいと思うものの、心は折れています。死後事務や身元保証を第三者に託し、生前整理を進めるのは間違いですか。(80代、女性)
自分自身の安心と納得を基準に
がんの手術を経験され、今も経過観察が続く中で、娘さんとの関係について悩みながら過ごされているのですね。会いたい気持ちはあるけれど、会うと心が疲れてしまう。その複雑な思いは、親だからこそ簡単には割り切れないものだと思います。
ただ、これから先の人生を考えたとき、大切なのは娘さんがどうしてくれるかではなく、ご自身がどう生きたいかではないでしょうか。親子だから分かり合わなければならない、支え合わなければならないと考えるほど、現実とのギャップに苦しむことがあります。親子であっても、心地よい距離感は人それぞれです。
残された時間を不安や期待に振り回されるのではなく、病気を経験された今だからこそ、自分の安心のために使うという考え方もあります。生前整理を進める、必要な手続きを整理する、身元保証や死後事務について専門家に相談しておく。こうした準備は、誰かを頼れないから行うものではなく、自分自身が安心して暮らすために行うものです。
娘さんに会いたい気持ちも、幸せを願う気持ちも、そのまま大切に持ち続けながら、一方で、ご自身の人生はご自身の判断で進めていけばよい。この二つは十分に両立できます。
人生の終盤だからこそ、物事をもっとシンプルに考えてもよいのかもしれません。私は多くの相談を受ける中で、自分主体でできる準備を進めることが安心につながる場面を数多く見てきました。自分が安心できるか、自分が納得できるか。その基準で歩んでいけば、これからの日々は今より穏やかなものになっていくのではないでしょうか。
<たのシニア生活彩り俱楽部アドバイザー(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>
