遠くに別宅 相続を居住する長女に

 妻を亡くし、関東に1人暮らしです。関西に評価額1億円以上の住宅があり、子2人のうちアルバイト暮らしの長女が住んでいます。同額の金融資産を長男に、住宅を長女に相続させたいです。(60代、男性)

特例適用のため同居を考えて

 ご相談者が長女と同居しておらず、小規模宅地の特例が使えないと、高額の相続税支払いが発生します。そうすると長女が関西の住宅に住み続けられなくなるのではないかと心配されているのですね。

 複数不動産を所有している場合、小規模宅地の特例の適用を受けられるのは現状お住まいの不動産となりますので、そもそも関西の住宅は適用対象外です。

 では、関東に所有していて居住中の不動産について、同居していない長女が小規模宅地の特例の適用を受けられるでしょうか。そのためには、いわゆる「家なき子」特例に該当する必要があり、厳格な要件が定められています。要件は主に、①相続開始前3年以内に自己・配偶者・3親等内親族などの所有家屋に居住していない②相続開始時点で自宅を所有していない③相続した宅地を申告期限まで保有している――の3点です。長女は①に該当せず、家なき子特例の適用は難しいです。

 結局、ご相談者が関西に戻って長女と同居するのが、小規模宅地の特例の適用を受けるには一番よいと思います。具体的には税務署か税理士へのご相談をおすすめします。

 なお、お考えの方法で2人の子に財産を相続させるために、遺言書を作成しておきましょう。自筆遺言でも構いませんが、無効になるリスクを避けるために公証人がかかわって作成する公正証書遺言が安心です。また、遺言内容を確実に実現するために遺言執行者を指定しておきましょう。

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<たのシニア生活彩り俱楽部マネジャー 山本建>