自宅相続 姉への代償金の準備は?

 建物は母名義、土地は母との共有で、母と同居中です。母の主な遺産は自宅のため分割が難しく、私が自宅を相続し、姉に代償金を支払う予定ですが、そのための資金がありません。今できる備えはありますか。(50代、男性)

母の生命保険 活用する方法も

 遺産の大半が不動産の場合、資産があっても現金が不足する状態となります。あなたが自宅を相続する場合、姉に代償金を支払う必要が生じることがあり、さらに相続税が発生すれば納税資金も準備しなければなりません。

 代償金とは、不動産を相続する人が他の相続人との公平を図るために支払うお金のことです。十分な現金がなければ、不動産担保ローンを利用するなどして資金を確保せざるを得ない場合もあります。

 こうした事態を避けるためには、お母様の判断能力があるうちに現金を確保する対策を講じることが大切です。有効な方法の一つが、生命保険の死亡保険金を活用して資金の手当てをすることです。

 死亡保険金の受取人をあなたに指定しておけば、その保険金は遺産分割の対象にならず、あなたが保険会社から直接受け取ることができます。また、あなたの固有の財産となるため、姉への代償金や相続税の納付、葬儀費用や当面の生活費など、相続直後に必要となる費用に充てることができ、現金が必要な場面で大きな助けとなります。

 高齢になると生命保険の保険料は高くなりますが、高齢でも一定の条件のもと無告知で加入できる一時払終身保険を検討する方法があります。死亡保険金の受取人をあらかじめ指定できるため、遺産分割が終わる前でも必要な資金を確保しやすい点が大きなメリットです。

 円満な相続を実現するには、遺産の承継方法だけでなく、代償金や納税資金として使える現金をあらかじめ準備しておくことも欠かせません。
<たのシニア生活彩り俱楽部アドバイザー(ファイナンシャルプランナー、CFP認定者)長沼満美愛>